逆流性食道炎
逆流性食道炎とはどんな病気?
逆流性食道炎は、胃と食道の境目にある弁の働きが低下することで、胃酸を含む胃の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。逆流によって粘膜がただれたり、びらん(粘膜の傷)が生じたりすることもあります。近年増えているといわれる、身近な疾患のひとつです。
放置せずに早めの受診を
逆流性食道炎は多くの場合よくコントロールできる疾患ですが、下記の症状がある場合は、食道の合併症(狭窄・出血・バレット食道など)や食道がんとの鑑別のためにも、早めの検査をおすすめします。
- 食べ物や飲み物が飲み込みにくい/つかえる感じがある
- 飲み込む時に痛みがある
- 意図しない体重減少がある
- 吐血・タール便(真っ黒でドロッとした便)が出る
- 健診で貧血を指摘された
- 市販薬を継続しても胸焼けが改善しない
- 50歳以上で胸焼け症状が新たに始まった
どんな人がなりやすい?
- 肥満・体型・姿勢に関わる要因
- 肥満(特に腹部脂肪)、猫背の姿勢、ベルトの締めすぎなど、腹圧を上昇させる要因は胃酸逆流のリスクを高めます。数kgの減量だけでも症状改善が期待できることがあります。
- 食習慣・嗜好品
- 高脂肪食、暴飲暴食、就寝前の食事、アルコール、喫煙、カフェイン、チョコレート、ミント類などは下部食道括約筋を緩めたり胃酸分泌を増やしたりします。習慣的な摂取はリスクを高めます。
- 加齢と解剖学的要因
- 加齢により下部食道括約筋の働きが低下します。また食道裂孔ヘルニア(横隔膜から胃の一部が胸側に飛び出した状態)は逆流性食道炎の重要な要因で、加齢とともに頻度が増加します。
- 薬剤性
- カルシウム拮抗薬(降圧薬)、亜硝酸薬、テオフィリン、β刺激薬(喘息薬)、一部の鎮痛剤・骨粗鬆症薬などは下部食道括約筋を緩める作用があり、症状を悪化させることがあります。
- 妊娠中の女性
- 妊娠中はホルモンの影響と子宮による腹圧上昇で逆流症状が出やすくなります。多くは出産後に改善しますが、症状が強い場合は妊娠中でも使用可能な薬剤で対応します。
こんな症状はありませんか?
「胸焼け」だけが逆流性食道炎の症状ではありません。咳や声がれといった意外な症状として現れることもあります。
長引く胸焼け、我慢していませんか?
逆流性食道炎は、内視鏡検査で確実に診断できる疾患です。
早期の治療で、症状を大きく改善できます。
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よくあるご質問
市販の胃薬を飲み続けていれば治りますか?
市販の制酸薬は一時的な症状緩和には有効ですが、根本的な治療にはなりません。長期的に症状を抑えるためには、医療機関での診断と適切な薬物療法(PPI/P-CABなど)が必要です。市販薬を2〜3週間使っても改善しない場合は、必ず受診してください。
胃カメラを受けないと診断できないのですか?
典型的な症状から「逆流症」と判断して治療を開始することもありますが、食道粘膜の炎症の程度評価、合併症(食道狭窄・バレット食道)の有無、他の疾患(食道がんなど)の除外のためには、胃カメラ検査が望ましい検査です。
食道がんになる可能性はありますか?
逆流性食道炎が長期化すると、まれにバレット食道という前がん状態に移行し、その一部から食道腺がんが発生することがあります。ただし日本ではこの経路の頻度は欧米ほど高くありません。重症例・長期罹患例では定期的な内視鏡フォローアップが推奨されます。
咳が長引いています。逆流性食道炎の可能性はありますか?
はい、可能性はあります。逆流した胃酸が喉や気管支を刺激することで、慢性的な咳や声がれの原因になることが知られています。耳鼻科や呼吸器内科で原因がはっきりしない慢性の咳がある場合、消化器内科での評価を検討してみてください。
妊娠中でも治療できますか?
妊娠中も、生活指導と妊娠中でも使用可能な薬剤で症状のコントロールが可能です。ただし薬の選択には注意が必要ですので、産科医と連携のうえで治療方針を決定します。まずは生活面の工夫(少量頻回食・食後の姿勢・就寝時の頭高位など)から始めることが多いです。
胸焼けや呑酸、お気軽にご相談ください
逆流性食道炎は、適切な治療で症状を大きく改善できる病気です。
「いつものこと」と諦めず、検査と治療のご相談を。
当院の胃カメラ検査の特徴
- 苦痛を抑えた経鼻・経口の両対応
- 必要に応じて鎮静剤の使用も可
- ピロリ菌検査・除菌治療まで一貫対応
- 異常所見があれば同時に組織検査(生検)を実施
- Webから検査予約が可能